トライアングル・ラブ
第26章 距離
「…何があった。」
真理との話を終えた私は、裕也とチラシ配りをしていた場所に小走りで戻った。
途中、来場者の方たちや、生徒たちからの歓声と応援をもらい、胸がいっぱいになった。
そして、裕也を見つけ、“お待たせ!”と笑顔で言ったつもりが、裕也は目を見開き私を問いただした。
裕也にも好きな人がいるかもしれない。
そんな不安を振り払うよう、私は笑顔を作った。
「何があったって…、別に何もないよ?真理と話してただけだよ?」
私は裕也の腕の中から半分チラシを取り出しながら言った。