トライアングル・ラブ
第26章 距離
「…目が赤い。」
裕也は私の右目に優しく触れた。
そして私を静かに見つめる。
時間が止まっている気がするのは、私だけ?
私は心臓のドキドキが止まらない。
「あ、裕也と姫奈~!休憩行っといでー!」
クラスメートが教室のドアから顔を出し、私たちに言った。
「あ、はーい!」
私は恥ずかしかったのもあり、裕也からサッと離れて、持っていたチラシを近くにあった私のクラスの机の上に置いた。
裕也もチラシを置くのを確認し、私は教室を覗いた。
沙織を見つけ、お昼を誘おうとしたが、せっせと受付をしていたので、声をかけることができなかった。