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トライアングル・ラブ

第34章 迷路



「山Pが姫奈とちゃんと話したいみたいだから、呼んじゃいました。ってことで、ちゃんと山Pのこと、見てやってよ~?」

私がひたすら紅茶を飲んでいると、沙織がすかさず声をかけてきた。


ちゃんと見てやってって言われても…。
見れるわけなーい!


「沙織、良いから。…姫奈…。」


山ちゃんが沙織にストップをかけ、私の名前を静かに呼んだ。


私はゆっくりと山ちゃんの顔に目を向けた。


「…ゴメンな。」


その優しくて切なげな笑みは、私の胸を“ギュウッ”と締め付けた。

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