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みえない鎖

第18章 微妙なずれ

悲鳴の様な甲高い声が響く。

「瑠璃」

名を呼ぶ声。
呼ばれる度にドキドキした声。
・・・今はイライラしかしない声。

「放して」

「話がある」

「私には無い」

「やり直したい」

「無理」

「言い訳ぐらいさせろよ」

・・・言い訳って何!!

一気に怒りが膨れ上がる。
何なのこの男。自分中心に世界が回ってるとでもっ!!

振り返った反動で掴まれてた腕が外れ、その事にほっとしつつ相手を見る。

数か月ぶりの・・・元彼。
ドキドキしていた相手。
好きだった相手。
・・・姿を見て、気持ちが再燃しない相手。

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