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みえない鎖

第18章 微妙なずれ

「何にも感じないわ」

留守電聞いても、着信履歴見ても、直に声を聞いても姿を見ても、目の前の男に何か気持ちが左右されない。

清々しいぐらいに何もない。

「・・・瑠璃?」

「別れ話、ちゃんとしなかったのが悪かったのかもね」

何もかもがなあなあだったから、ショウタはここに来たのかもしれない。私が別れようって話を切り出した訳じゃなかったけど。

「区切りは必要よね」

「あのメールは俺が送ったものじゃない。女が送ったんだ。で、送った後、証拠も消しててさ。

まさかそんな話になってるとは思わないから、彼女面する女に問い詰めたら、白状してさ」

ショウタの浮気相手に別れ話メールを仕掛けられて、まんまと別れさせられたって話をここでする男。

つまり浮気してたってことでしょ!?

何だか悩んだあの時がバカバカしくなる。こんな下らない結末で悩んでたって事に。

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