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みえない鎖

第22章 区切り

居たって居なくったって、どちらにしろ、一度はっきり言わないとダメなんだけど、

昨日の聞く耳もたない感じが、どうも元彼の印象を悪い方向に向かわせていた。

・・・何でこんなに嫌かな。
前はそこまで思わなかったのに。

「・・・うん、行く!!」

独り言を口に出して、私自身に勢いをつけ、アキのいる玄関まで急ぐ。

「行くぞ」

何も言わずただ待ってくれていたアキは、私を促すと外に出た。

「ねえ?」

「ん?」

「・・・居ると思う?」

「可能性は、あるな」

「・・・だよね」

鍵をかけ、エレベータで降りるまでの会話。

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