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みえない鎖

第22章 区切り

いつの間にか、右手はアキにしっかりと繋がれてる。俗に居う恋人繋ぎ状態。

1階に降りエレベータのドアが開くと、昨日の光景を思い出して、少し身体が竦む。

「居ねえから」

手を引かれ、歩くアキの手から伝わる体温が、とっても頼もしい。

「・・・・・・・・・うん」

返した言葉はとても小さくて、予想以上に私の声は頼りなく聞こえた。

アキのぬくもりが嬉しいのが半分、残りの半分は私自身に対する戸惑い。

こんなに弱かったかな・・・って思って。

頼れる人がいると、一気に頼りたくなる。1人だとこんな筈じゃなかった、はず。

ただ、ちょっと寄りかかっても、アキは迷惑そうにしない気がする、というのは自惚れ、かな・・・?

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