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みえない鎖

第22章 区切り

淡々と話す私に、ショウタは私からアキに視線を移す。

「・・・もしかして、彼氏?」

「うん」

アキは何も言わない。手を握ってくれているだけ。

でもそれでいいと思う。そしてそれが嬉しかったりする。

「今までありがとう。もう、行って」

これ以上、話す事は無かった。そして聞く心算もなかった。

ショウタはそれ以上何も言わず、立ち尽くしていた。それは数秒だったか、数十秒だったか、数分だったか・・・。

「・・・・・・・・・解った」

それだけ言うと、ショウタは踵を返し、車に乗り込んで・・・、

見慣れていた車の姿は見えなくなった。

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