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みえない鎖

第26章 歯止めと暴走

薬を飲まされた事によって、無傷で助ける事が出来なかった罪悪感はあったが、

それ以上にムカつくのは、目の前の男で。

瑠璃に今からの事を見せたくなくて、瑠璃の両手を縛っててた男のネクタイを使って目隠しをすると、

未だに若干呻いてる男の両手を、胸元からネクタイを抜いて、後ろ手で縛る。

「ちょっと来いっ」

不意打ちに毒気を抜かれたのか、妙に大人しい。

逆に反撃の糸口を大人しく探っている可能性もあるので、警戒はしつつ、部屋の入口まで強引に男を立たせて引き摺った。

で、男の内ポケットから名刺を探し出し、1枚取り出す。

「ふーん・・・西内商事、ね」

素性が解らないと釘をさすにしろ、反撃するにしろ、手が打てない。

「俺は瑠璃と別れたつもりは全く無い。それにお前はその顔なら、瑠璃じゃなくてもより取り見取りだろ?瑠璃とは遊びなんだろ?だからもう帰ってくれよ。瑠璃はっ」

バシッ

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