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みえない鎖

第26章 歯止めと暴走

男の顔が、一気に引きつった。

「営業ってのは、会話も重要だろ?ちょっとした小ネタに、さ」

「・・・ま・さか、取引・先・・・?」

「最近のスマホは、ボイスレコーダ機能がついてて、なぁ」

・・・録音してんだよ。今も。

「どんな形であれ一度、別れ話のメール一方的に送りつけた女に、怪しい薬飲ませて、手を縛って強姦しようとしてた黒田さん」

顔面蒼白な目の前の男。
全身がワナワナと震えてる。目が泳いでる。コイツ、小物だな。

小物に瑠璃がやられたと思うとますますムカつくけど、早く言質とって追い払いたい。

「また付きまとってたら、次はどうなるか解るよなぁ?」

「わ、解った。もう付きまとわない・・・」

そう言って逃げ出そうとする男の腕をグイッと引き寄せ、耳元で囁く。

「覚悟しろよ、次は、よ?」

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