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みえない鎖

第26章 歯止めと暴走

「・・・助けてぇ」

「病院行くか?」

「・・・病院イヤぁ」

「そのままじゃ、辛いだろ」

「・・・アキ、シてよ」

・・・言ってる意味解ってんのか。朦朧として適当な事言ってるってことないよな。

瑠璃は基本受け身だから、今までして欲しいなんて一言も言った事は無い。

今のは、薬のせいのうわ言か、奥底の本音か。

「・・・助けてよぉ」

俺の本音は、病院にあまり行かせたくない。この状態の瑠璃を他人に見られたくない。なら・・・仕方ない。

「俺は薬が入って無い時の瑠璃の方が良いんだよ」

そう言って。

後頭部から髪の中にゆっくりと両手を射し込みつつ、荒い息を吐くいつもと違う瑠璃に、唇を落とした。

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