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みえない鎖

第27章 根回し

口に出すと、もやもやの答えが出る。

元々ストーカーされたのは、私であって、アキは巻き込まれただけで、不満持つのは筋違いな気も、して・・・。

思い直すと、しゅるしゅるとしぼむ気持ち。
黙ってるアキは、何を考えてる?

「・・・怒っ、て、る?」

沈黙が・・・少し怖くて、目を閉じる。

「居ねえのは、悪かった」

くぐもった声。アキの声にホッとして・・・、

「・・・うん」

ギュっと抱きしめた腕に力を込める。アキも、ギュっとしてくれて・・・暖かい。

今日は寝過ぎってくらい寝たのに、ホッとして力が抜けると、安心感から眠くなる。

アキは黙って動かないから、寝ちゃってもいいか・・・って思って、そのまま微睡むことにした。

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