テキストサイズ

みえない鎖

第28章 変化

「行ってくる」

「うん、いってらっしゃい」

リビングでの会話の後、玄関に向かって歩く。アキの背中を見ながら。

アキは革靴を履いた所で、くるりとこっちに向いた。

「じゃ、行ってくる」

「いってらっしゃい」

・・・・・・。

何だろ、この沈黙。
元カレから避難していた、一緒に住んでた頃には無かった沈黙に、少し困惑。

アキが手招きするので、何か忘れたっけ・・・?と近づくと、

右腕でグイッと引き寄せられ、左手で固定されて、至近距離の顔。

「ち、近いよ」

「いってきます」

「・・・いってらっっんんっ」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ