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みえない鎖

第30章 解くしがらみと甘い誘惑

「・・・っ・・んっ」

呷った酒の中身は、アキの喉を通らず、強引に引き寄せられ、口移しで飲まされた私の喉。

苦い、と直後思うものの、液体とともに侵入するアキに、ワイン自体の苦味が薄れる。

・・・美味しい、とは違う、お酒の余韻。

「・・・いらないって言ったのに」

「飲まさねえとは言ってねえし?」

再度、グラスに注がれていくワインを眺めながら、文句言ってみるけど、アキは飄々としたもので、2度、3度、と口移しで飲まされるワイン。

「・・・嫌がってねえじゃねえか」

味はいくら飲んでも美味しいという感覚にはならないけど、飲まされ酔わされていく感覚を、止めるには・・・惜しい。

それに回数を重ねるたびに、キスの時間も、深さも・・・激しさを増してる。

ワインによる昂揚感?
アキのキスによる昂揚感?

それとも両方の相乗効果?

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