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みえない鎖

第6章 自覚

ぎりぎり間に合ったところで、ふと思う。

アキは前に送ってくれたから、このマンションに私が住んでる事は知ってるけど、私が住んでいる部屋番号までは知らない。

外で待っていた方がいい・・・よね?

お気に入りのパック片手にそのまま家を出て、マンション入り口にたどりつくと、小走りに来たせいで少し息が上がっている。

「つ、疲れた・・・」

壁に寄りかかって、息を整える。

時刻は夜11時前。

この頃になると、外を走る車の姿はあまり見なくなる。一応ここは少し路地に入ったところにあるマンションなので。

ちょうど目に飛び込んだヘッドライトが点いている1台の車。道路を照らす灯りが強くないせいで、車の色までは識別出来ない、けど。

何故か、見覚えが、ある?
・・・気がする。

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