テキストサイズ

みえない鎖

第9章 零れ落ちた言葉

此方から連絡した時だけ会う、という約束の下のセフレと完全に切ったわけではない。

はっきりもう会わないと相手に言ったわけではないからだ。

ただもうそういう女たちと会う気は無くなってはいるが。

全く勝手なものだな。

若干の自嘲を含む笑みを顔に滲ませ、瑠璃の顔を立って眺め続けていた。

「・アキぃ・・待って・・・」

瑠璃の寝言は結構はっきり言う方らしい。寝言を言う相手に返事するのは熟睡できないという話らしいが、興味がわいて声をかけてみる。

「どうした、瑠璃?」

寝言だから返事は返ってくる筈はない。
そのままベッドの端に腰をおろし、瑠璃の額にかかる髪の毛辺りに手を伸ばした時だった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ