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みえない鎖

第9章 零れ落ちた言葉

「・アキ・・ス・キ・・・」

「・・・え?」

思わず間抜けな声が口から滑り出て、瑠璃に伸ばしかけた手を思わず引っ込める。


今、なんて、言っ、た?


今ここで本来なら聞ける筈の無い言葉に、異様に動揺したのが、解る。

大体、寝言だ。瑠璃自身が言おうと思って言った言葉じゃない。けど。



たった、一言。



偶然にも耳に届いた爆弾の破壊力は絶大で。

落ち着こうとして煙草を取りだし、火を点けようとするが、手の細かい震えが、何故か止まらなかっ・・・た。

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