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みえない鎖

第11章 素の相手

「服買ってないよ」

「さっき瑠璃のも買った」

買った、と言われて思い出すあの馴れ馴れしい店員。あの店員のチョイスした服はイヤだ。

少しずつムカつきがおさまっていたけど、再度復活。

「瑠璃の好み知らないから、適当に俺が選んだけどな」

「店員に選んでもらった訳じゃなくて?」

「俺が選んだ。瑠璃の好みじゃないかも、だがな」

手を繋いでいない方の手で持っている紙袋を車に積むアキ。

「で、実はディナーの予約が少しずつ近付いてな」

と時計を指す。
時刻は既に17時前。

「もう戻るぞ」

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