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チェックメイトで切り裂いて

第5章 コノハの世界事情 ~知ってる、全部~

パチッ パチッ

目がチカチカする…  頭が痛い…

「あ!!龍…!!あの猫、俺を刺し…てない!?」
刺されたはずの腹は無傷で痛みも何も無い。


おかしい おかしいぞ・・・
おかしすぎる!!

俺は刺されたんだぞ!!!?
それで無傷!?
有り得ない…


龍…またあの猫に殺される!!

「やっべ!!」

急いで着替えて、走って外へ…

「あの時も、俺は…」
っ!!頭が痛い!

ふらふらと龍のアパートへ進む。
分かってる。
どうせ、いない…

だが、公園への近道はアパート方向。
ここで、龍と会えれば…


公園に来た…が
もう、遅かった…

頭から大量の血を流している少女
逃げていくヤンキー
倒れている龍。


「アイツより早く!!」
そう叫び、虎は公園の入り口の低い柵を 飛び越える。


「龍!!龍!!起きろ!」
倒れている龍を腕に抱え、揺さぶる。


起きて、起きて…
俺を1人にしないでよ…

龍の耳元で囁く

龍と虎は双子で、事故で早くに両親を亡くした。
そして、2人は別々の施設に入れられた。

『一緒がいいよぉ!お兄ちゃぁん!!!』

『離せよ!!虎っ、虎ぁ!!!』


幼い時に味わった苦しみ、全て全て全てを人に返してやる!!
あの時、どれだけ泣いたか…どれだけわめいたか!!

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