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チェックメイトで切り裂いて

第5章 コノハの世界事情 ~知ってる、全部~

あぁ憎い…
幸せに生きているアイツ等が憎い…

「だから、だから…復讐するんだから…起きてよ…龍…」

虎の涙が抱きかかえている、龍の頬を伝う。

ポツリ ポツリ…


「龍も僕を1人にするの…? それなら…もう生きてなくてい「そうだよね?」 !!?」

いつの間にか、猫は人の姿で目の前にいた。
ニヤニヤしながら、ナイフをちらつかす。
「生きてなくていいよね?コイツ等なんて」
ナイフで反射した光が猫の顔に当たる。
真っ赤な瞳、整った唇、跳ねた髪は黒く美しい。


だが、虎からしてみれば龍の方が
綺麗な黒い瞳、ピンクの唇、少し跳ねた茶色がかった髪。

「今のは・・・」

何言ってんだ!
生きてなくて…なんて!!
ごめん ごめんな龍…
「仕方ないじゃない?キミの考え方が悪いんだもの?」

ニンマリ 口角を上げる猫。
真っ赤な瞳が何かを宿す。

「キミがこの世界を作った。キミが、だよ?
分かる?分かんないよねぇ?
繰り返す日々の意味が……
今キミに宿っている憎しみの意味が!!

分かるハズが無い………
人間なんて、人なんて!!」

猫は憎しみに顔を歪める。


龍と同じ表現だ。
龍も依頼された殺しは迷いなく、そして真っ赤になって帰ってくる。


『また、依頼受けた…
殺したよ…人達…
は、ははははっ!!

オレって…オレってさ、狂ってるよな…
なんでこんな人間になっちゃったんだろ…なっ?』

ケータイから聞こえる音声はストレスが溜まっていた。

『狂ってなんてないよ龍はね…狂っているのは人だよ…』

可哀想に龍は苦しんでる。
人間の所為で…

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