テキストサイズ

彼の兄

第5章 休日

助手席に座ると、拓磨さんは優しい笑顔で鼻歌を歌いながら
「いい休日になりそうだね」と呟いた。
その言葉にゾッとしたけど、なんでついて来てしまったのか自分でも分からなくてモヤモヤする。

車が止まった場所は、なんと昌樹の…拓磨さんの家だった。
「ごめんね、一人暮らしがまだで。まあ昌樹いないから安心して?」

「そんな…、あの!嫌です!帰ります!」
玄関から立ち去ろうとした瞬間、顔色を変えた拓磨さんにガッと押し倒された。
「きゃっ…」
「日菜…?帰ってもいいけど、この前の車内でのこと覚えてるよね?あれ、写真撮ったけど…昌樹に見せてもいいかな?」
にっこりと笑う拓磨さんに、なにも言い返せない。

「…っ」
視線を外すと、勢いで顔を捕まれ荒いキスをされた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ