
君がくれたぬくもり
第17章 悪魔の顔
――――――………
「チッ…起きたか…」
「ん……」
聞き慣れた声。
いつの間にか眠ってしまっていたみたいだ。
ていうか、妙に腹部らへんが苦しい…
ずっしりと重りのようなものが乗っかっている。
犯人はわかる。
この香り…岳だ。
帰ってくるの早くない?
陽菜はゆっくりと目を開けた。
「重たいよ、岳…」
「こんなとこで爆睡すんな。」
「んん…」
不意に唇を塞がれる。
乱暴だけど、甘い口溶けのキス…
何度か唇を重ね、最後に頬に口づけをして岳の顔は離れた。
「物足りないって顔だな?」
「そんなことないもん…//
物足りないのは岳でしょ?
したのはそっちだもん。」
「はいはい。……で?」
“で”?
その意味がわからなくて岳を見る。
岳の瞳はしっかりとこちらを捉えていて、
“真面目な話だ”と一瞬にして理解できた。
「岳、なに……?」
「今日…何で早く帰ってきたんだよ。熱でもあんのか?」
岳は陽菜の額に手を当てた。
