
君がくれたぬくもり
第22章 冬のある日のこと
「ご注文は以上でよろしいでしょうか?」
「はい。」
「かしこまりました。少々お待ちください。」
客席から戻ると西田さんがニッコリ笑ってこちらを見ていた。
不審に思い、思い切ってわけを尋ねてみる。
「さっきから人の顔見て何ですか?」
「ん?陽菜ちゃんが前より明るくなったような気がしてさ。」
前より明るく…?
「そうですか?」
「クリスマス近いから?やっぱり彼氏とラブラブするの?」
「なっ…しませんよ!!///」
バシッと力いっぱい西田さんの腕を叩く。
「しないの?」
「しません!!」
西田さんは「つまんない」と言って水を持って客席の方に行ってしまった。
西田さんがいなくなり、急に寂しくなる。
クリスマス……か。
仕方ないとわかっているのに、ため息をついてしまう。
岳は今何をしてるんだろう…
いつ陽菜のところに帰ってくるのかな?
