
君がくれたぬくもり
第34章 熱いカラダ
何となく…
何となく嫌な予感した。
見てはいけない。
そう思うのに……
見てしまったんだ…。
男子に囲まれる中
岳の隣で
恥ずかしそうに俯いているあの子を……。
「なんで岳ばっかり可愛い彼女ができるんだよぉ!」
男性陣は悔しそうにその子を見る。
ズキン…と胸が痛んだ。
「陽菜……」
嫉妬と悲しみで一杯の陽菜を怜香は心配そうに見つめる。
怜香もあの子がここに来ることは知らなかったようだ。
だから岳は後でバイクで合流だったんだね…。
なんか……
頭痛くなってきた…。
「あっ!怜ちゃんたちも来なよ!岳の新しい彼女だよ!」
光くんがあの子の手を引いてこちらに走ってくる。
いや……来ないで。
「千夏(チカ)ちゃんだって!
二人と同い年らしいよ!」
「千夏です。」
ぺこりと礼をするその子は、清楚という言葉がピッタリの可愛い女の子だった。
