
君がくれたぬくもり
第34章 熱いカラダ
陽菜は早くこの子から離れたくて、怜香の手をツンと指でつついた。
「てか!千夏ちゃんもそろそろ水着に着替えて来なよ!」
合図に気づいた怜香は千夏ちゃんにそう言う。
「そうだね!行ってくる!」
千夏ちゃんはニコッと笑うと更衣室に入って行った。
「……ふぅ…」
砂浜にペたりと座り込む。
何かもうほんとだるい…
帰りたいよ…。
「陽菜…ごめんね。
岳兄がまさか彼女連れて来るなんて……。」
怜香は陽菜の頭をぽんぽんとする。
陽菜は泣きそうな気持ちを抑え、笑顔を作った。
「大丈夫だよ!
怜香、フォローしてくれてありがとう。」
ほんとは帰りたいくらい
辛いんだけどね…。
「怜香、ごめん。
陽菜ちょっと休んでから入るね。」
「ほんとに大丈夫なの?」
「陽菜のことはいいから!
ほら、和哉が待ってるよ?」
向こうで手を振ってる和哉を指差す。
怜香は「ごめんね」と言うと、和哉の方に走って行った。
