
君がくれたぬくもり
第36章 大きな背中
幸い岸までそんなに遠くなかったため、すぐに浜辺に上がると、陽菜を砂浜に寝かせる。
千夏やほかのやつらが慌てて駆け寄ってきた。
「やだ…陽菜ちゃん?!」
「陽菜ぁ!!!!」
「きゅっ、救護の人呼ばなきゃ!」
みんながあちこちで動き出す。
そんなことしている場合じゃない……
こいつが死んだら俺は…
俺は―――――――……
――――――………
―――――――……
「ん……」
目を開けると、目の前に岳の顔がうつった。
ん?
岳??
「……ぇ……!?///」
驚いてバッと身体を起こす。
周りを見ると、みんな揃っていた。
怜香や梨華子さんたちはなぜか泣いていて、
テンションが高かった光くんも落ち込んだ表情をしている。
何が起きたの…?
陽菜はなんでここにいるの?
「陽菜ぁ!!!!よかったぁ!!!!」
怜香は陽菜に抱き着き、わんわんと泣いた。
