
君がくれたぬくもり
第36章 大きな背中
「怜香…どうしたの?」
「どうしたのじゃないよ!!
あんた、息してなかったよ!!」
え……!?
嘘……
あっ、そういえば
怜香と別れて、一人で海に浮いてたら急に頭が真っ白になって……
「バカヤロー!!!!」
ビクッ
突然岳が大声を上げた。
周りは騒然とする。
「が、岳……?」
「……なんで具合悪いこと黙ってた?」
「え……」
その時…
ふわっと大好きな匂いが陽菜を包み込む。
岳に………抱きしめられてる……?
「ちょっと岳……///」
「……心配かけんなボケ。」
陽菜を抱きしめるその手は
少しだけ震えていた。
「ごめんね……」
「ん……」
岳はそっと陽菜から離れると、優しく頬に手を当てた。
………が、その時だった。
「あのー…お二人さん?
ここ一応公共の場なんですが」
二人の間に割って入ってくる怜香。
現実に引き戻される。
