
君がくれたぬくもり
第38章 隙間
湯気と共においしそうな香りが立つ。
「いただきます♪」
手を合わせ、陽菜はうどんを啜った。
「……どう?」
「おいひぃ……」
久しぶりの岳の料理は
おいしくて、あたたかくて…
陽菜の心を豊かにさせる。
「……そか。」
岳は素っ気なくそう言うと、同じようにうどんを啜った。
ズルッズルッという音が響く。
「岳、おいしい!」
「…はいはい、今聞いた。」
「キャッ」
バチンッと音と共に額がヒリヒリと痛む。
出た……岳のデコピン!!
「痛ぁい……酷い(泣)
岳ってほんと照れ屋だよね。」
「あ゙ぁ?」
「そこも好きだけどね?」
「………っ///」
陽菜のふんわりと柔らかい笑顔に心臓が跳ねる。
岳は陽菜から目を逸らし、ひたすらうどんを啜った。
ほんのりと赤く染まった岳の頬を見て、陽菜は何だか嬉しくなった。
思わず岳の頬をプニプニして遊ぶ。
「ふふ。岳可愛い…///」
「てめぇなぁ…///
…これ食ったらキスさせろ。」
「えっ…!///」
