
君がくれたぬくもり
第41章 誘拐
背中から「ふふふ」と不気味な笑い声がして……
「当・た・り♪」
と言った。
ゾッとした。
早くここから逃げなきゃと思い、鍵を差し入れ自転車に跨がる。
すると、知らない男たちに遮られた。
「なっ……!?誰ですか!?」
「ごめんねー、お姉ちゃん。
俺らも生活かかってんだわ。」
「は!?ちょっ……
きゃああっ!?」
グイッと腕を掴まれ、自転車が倒れる。
お母さんは陽菜を見下ろし、口を押さえて笑っていた。
「ごめんね、陽菜ちゃん。」
「やめて……大声出しま…ぐああっ!!」
――――ボコッ
なんとも言えない鈍い音と共に後頭部に痛みが走る。
あ………
「何……す………っ」
「しばらく眠ってな。」
男はニヤリと笑うと、陽菜を担いだ。
陽菜はそのまま意識をなくした…
