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君がくれたぬくもり

第45章 逃走






そこにいたのは



陽菜を犯した男……




若旦那こと…




――――龍之介だ。




不気味なほどニヤニヤしながら陽菜と岳を見る。




「怪しいと思ってたんだ。
火傷で顔半分ケロイド…か。

っは!!
綺麗な顔してんだなぁ!!」




―――ガシャンッ!!



「ひっ…」




縁側の窓ガラスが龍之介の拳で割れる。



陽菜は驚きと恐怖で肩をすくめた。




岳……


どうしよう…っ




「…陽菜は俺のだ。」



岳は陽菜の手を握り、龍之介を睨みつける。



龍之介はさらに顔を綻ばせた。



「あぁ。お前が彼氏ってやつか。大事な大事な彼女さんの身体にキスマークをたくさん付けたって言う!!」




―――ギクッ



「は…?」


「ま!俺がその上に新しい印付けちゃったけどね!ふははは」




それは





思い出したくない記憶…





「や、やめて!」


「ふっ。陽菜ちゃん、俺としたこと内緒にする気だったんだな?」





やめて!!


やめてやめて!!




岳にだけは知られたくない!




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