
君がくれたぬくもり
第45章 逃走
すると今度は舎弟達が走ってきた。
4、5人はいる…
「若旦那!!!!」
「お前か?!!」
―――ドガッ
「うああっ!」
岳は男の一人を殴る。
すると周りの男たちは龍之介を置いて岳と陽菜を取り囲む。
しかし、1人…また1人と倒れていく男たち。
こんな時に不謹慎だが、
カッコイイ……///
しかし、男たちの数は減らない。
それでも岳は殴り、蹴りを繰り返す…。
陽菜の前にまた男が倒れた。
あ……この人…
牢屋の監視役で、
陽菜を案内してたやつだ。
この人鍵持ってる!!!
陽菜は静かにしゃがみ、男のポケットからはみ出た鍵を取った。
「岳っ」
あ!!!!
岳の後ろに忍び寄る影…
その手には……鉄の棒!
「岳危なっ…」
―――ボコッ
「……っ!」
「きゃああ!!!?」
鉄の棒は岳の後頭部に直撃する。
錆びれた銀の先からは赤黒い血が滴る…
「岳!!」
「ひ……な……っ!」
