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君がくれたぬくもり

第46章 声






――――――……


  ―――――――………



「岳!岳起きてよぉ!!」




陽菜の叫び声は…



虚しくも静かな病室にこだまする。




あれからすぐに警察が来て


あの男たちは全員逮捕された。




でも岳は、


陽菜が行った時にはぴくりとも動いてなくて…



病院に運ばれた今もずっと意識が戻らない。




「岳……起きて……」




神様、お願いします。




何でもしますから…



どんなに辛い試練を与えられてもいいですから…




岳を死なせないで…




どうしてもだめだと言うなら


陽菜を代わりに殺してください……




岳だけでも生きさせてください。




もうわがままは言わないから…





「うぅっ……」




岳の手を握り、泣きじゃくる。




陽菜の涙がポタリとその冷たい手に落ちた時…






「……岳…?」





岳の手が少しだけ


動いたような気がした。




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