
君がくれたぬくもり
第46章 声
「あれからたった4時間で目を覚ますとは……松永さん、あなたの身体は丈夫なようですね。」
「はぁ……まぁ……」
先生はニコッと笑うと、気を遣うようにそそくさと病室を出て行ってしまった。
病室には岳と陽菜の二人だけになる。
「岳のばか……」
「っふ………泣くな…」
「死んじゃうかと思った…」
「………俺も。」
岳は優しく微笑む。
頭は包帯でぐるぐる巻き、
顔にもたくさんの傷があり、痛々しかった。
「陽菜……俺、動けねぇから……」
「うん………」
「………キス……して……」
甘くせつない目で陽菜を見る。
陽菜はゆっくりと頷き、
岳に優しく重なるだけのキスを落とした。
しかし岳は不満げな顔をした。
「…なぁに?」
「足りねぇし……」
「もぉ……」
岳の甘いおねだりで再び重なる唇。
さっきよりも長いキス…。
