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おまわりさんはドS

第2章 出会い

「じゃあ、今日からとりあえず仕事ね。そこのマニュアル読んで適当にやっといて。あっ落し物の紙はそれね。
あとはチャリと、パトカーの鍵もそこね。一応パトカーの鍵は予備もあるから。…まぁ一台しかないんだけどね~」
なんてゆるいんだこのおっさんは。
とは言えず、笑顔ではいっ!と言っておいた。

っていうか説明だけして自分どっか行くのかよ!!
「ちょっとチャリで見回りしてくるね~」
「は、はい…」
どうせ見回りとか言って近所の甘味処に入り浸ってるんだろ。まぁ一人の方が楽だしいいけど。

隼斗は先程からチラチラと視線を集めている事に気がついた。見ると、若いOL数名と、近くの家の主婦数名が交番の前で小さな人だかりをつくっていた。

隼斗は爽やかな営業スマイルをうかべ、
「僕に御用でしょうか。無くし物かなにかされました?」
そう言って近寄ると、
女達はため息のようなきゃあっという黄色い声のような物を出した

ったく、これだから女は。
1人の勘違いブス女が、気持ち悪い上目遣いをしながら猫なで声で
「あ、あのぅ…新人さんですかぁ?私ぃ近くの○○商事に勤めてるんですけどぉ…」
と言ってきたので
「はい、本日配属されたばかりです。新人なのでいたらないところもあると思いますが、よろしくお願いします」
と言いながら営業スマイルで女の手をそっと握ると、
顔を真っ赤にして倒れた。
周りからはきゃあ~いやぁ~かっこいい~ずるぅい~
など聞こえてくるが、無視をして、
「ではまたいらしてください。」
と言うと、女達は散り散りになっていった。
中には手をふってくる者もいたが、軽く会釈しておい
た。するときゃあ、やったぁ~と言って興奮していた。

あー、だりぃな。毎日こんなのの相手すんのか。

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