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おまわりさんはドS

第2章 出会い

1-B組の教室


「えっと、私がこの1-B組の担任の、小野田奈美子(おのだなみこ)です!一年間、よろしくお願いします」
パチパチ…と小さく拍手がおこる。すると、1人の生徒が
「先生、隣が居ないんですけど…」
それにつられて、
「僕も」 「私も…」
と、声が挙がる。
小野田は困惑顔になり、もう一度教室を見渡した。
「ほ、本当だ、三人足りないじゃない…ウソ~どうしよう!」
その時、ガラガラっと教室のドアが開いて、
何かが飛び込んできた。人だった。

「先生!!遅れてすいませんでした!教室に来るまでに迷ってしまいました!!」
と、大声でどなったのは、仁科凛と笠原佑磨だった。
イキナリ入ってきて、同時に大声で勢いよく頭を下げてきた2人を教室中の笑いが包み込んだ。
担任の小野田まで爆笑していた。

すると、急にふわっと風が吹き、美しいシルエットが優雅に教室に入ってきた。
すると、なぜかバラの様な香りが教室中に広がり、
室内なのにその美女の周りだけ桜吹雪が舞っていた。

そのロングヘアーの美女は、
「遅れてすみません、小野田先生。私達、教室の場所が分からなくって…それで遅れてしまったんです。」

これには、教室中がぐびっと息を飲んだ。

先に入ってきた2人と同じ事を言っているのに
この気品はどこからでてくるのか。

小野田も、言葉を失ったようだった。

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