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恋のかたち

第1章 通学電車

そんな事を思い出し、ふぅっとため息をついた

その直後、背中がゾゾゾッとした
驚いて後ろを振り返ると、いきなり唇に柔らかく、湿った感触が重なる

生々しい感触にうろたえる事しか出来ずに、体は強張った

何も出来ない状態の優愛に、どんどん奥へと舌が入り込んでいく・・
初めての感触に頭はパニックで、せめてもの抵抗に逃げ回る舌は難なく捉えられ絡め取られてしまった

絡まる舌に流し込まれる唾液で瞳には涙が滲んでいく
呼吸が苦しくとにかく逃れたい一心なのに反比例して手すりを掴む手には力が入り、どんどんとドア横の壁に押しやられ、身動きすらとれない状況になった

絡まる舌はチュッと卑猥な音を立てて離され、その直後に呼吸するのがやっとだった

呼吸が整わない内にまた唇を塞がれる
今度は包み込むような優しさを感じさせるキスにまた翻弄される

ジンジンと痺れるような快感に次第に頭は侵されていく

遠のきそうになる意識を呼び戻すようにまた貪るような深い口付けが繰り返される

唇は摩擦でふやけてしまったような感覚で、もう短く、荒い呼吸になってしまい、顔は熱く上気している

何が起こっているのか理解しない頭で精気を取られたようなだるさに襲われた

立ってられないくらいの状態で不意に唇は離され解放された・・と同時に

いつの間にか到着していた駅に今まで優愛の唇を弄んだ男は降りていった

ただボー然と見送る形になった優愛は電車のドアが閉まり、初めて見た相手の顔に目が釘付けになったまま

そのホームを車内から見送った

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