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初恋は永遠に

第2章 帰り道

『誰って、まゆちゃんに決まってるだろ。』

けん君は恥ずかしそうに言う。
それを見てると、私まで恥ずかしくなった。

『ぃぃょ』

思わず声が小さくなってしまった。

『何?』

けん君がニッと笑いながら聞いた。

『い、いいよ!』

思いっきり、大きな声が出てしまった。

すると、けん君が指を絡ませて、手を繋いできた。

まゆ心(い、いきなり恋人繋ぎ~!?どうしよう、心臓もたない~~~!!!!!!)

私が1人でそんなことを考えていると、いきなりけん君の方に引っ張られた。

『きゃっ!』

『まゆちゃん危ないよ。電柱に当たるとこだったよ。』

けん君は、そう言いながらも、私を前から抱き締めるような体制だった。

『まゆちゃん、ぎゅってしていい?』

けん君が、私に聞いた。

『うん』

そう言うと、けん君が私をぎゅっとした。
私の目の前には、けん君の胸板がある。
まだ成長期で身長はすごく高くなっている。
髪はさらさらで、癖がない。
他の女子からすると、かっこよくないらしいが、私のなかでは1番の王子様。

けん君の心臓の音が聞こえる。

ドクドクドク

少し早いような気がした。

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