神さま、あと三日だけ時間をください。
第2章 ♭ミュウとシュン~MailsⅠ~♭
美海がシュンと結婚できない本当の理由からはどうも話の論点がずれているような気がするけれど、こちらも美海には確かに理解できないことだ。
何故、初めて逢った日―いや、まだ逢いもしない中から、シュンが〝結婚〟という言葉を持ち出し、美海を彼女扱いしようとしたのか。これは美海の実年齢とかは関係ない話だ。
「ミュウじゃなくても、こんな強引な男は嫌われるよね」
シュンの言葉がどこか淋しげに聞こえる。美海は首を振った。
「そんなことはないわ。でもね、シュンさん。私はどうしても理解できないの。あなたのように若くてイケメンなら、付き合いたいって女の子はたくさんいるでしょ。なのに、どうしてわざわざ出会い系サイトの掲示板まで使って、しかもそこで出逢った年上の女を相手にするのか。今日、初めて逢ったばかりの私に結婚の話なんて持ち出すのか」
シュンは少しうつむき、考え込むそぶりを見せた。潮の香りを含んだ海風がシュンの少し長めの前髪を揺らして通り過ぎていった。
「何て言ったら良いんだろう。ミュウと俺が初めてチャットで出逢ったのは一ヶ月前だよね。あの時、俺、マジで落ち込んでたんだ。誤解のないように言っておくけど、白状すると、出会い系サイトなんて初めてだったんだ。あのときは無性に人恋しくて出会い系でも何でも良いから、とにかく誰かと話したかった。それで、思い切ってコメントアップしたら、君から返事が来たんだよ」
何という偶然だろう。あの夜は美海もまた一度も覗いたことのない出会い系サイトに辿り着いたのだ。そして、たまたま眼に付いたシュンのメッセージがあまりに淋しそうだったので、何か言ってあげたくて返信を返したのだった。
「あの時、運命を感じたなんて言ったら、また、君にドン引きされてしまいそうだけど。でも、俺は本気で思った。初めて利用したチャットで大勢の人のコメントから俺を見つけ出してくれたのも何かの縁じゃないかなと思って。それで、メールのやりとりしようって俺の方から誘って、色々と話している中に、俺はどんどん君に惹かれていった」
シュンは小さな息を吐き、切なげなまなざしで美海を見た。
何故、初めて逢った日―いや、まだ逢いもしない中から、シュンが〝結婚〟という言葉を持ち出し、美海を彼女扱いしようとしたのか。これは美海の実年齢とかは関係ない話だ。
「ミュウじゃなくても、こんな強引な男は嫌われるよね」
シュンの言葉がどこか淋しげに聞こえる。美海は首を振った。
「そんなことはないわ。でもね、シュンさん。私はどうしても理解できないの。あなたのように若くてイケメンなら、付き合いたいって女の子はたくさんいるでしょ。なのに、どうしてわざわざ出会い系サイトの掲示板まで使って、しかもそこで出逢った年上の女を相手にするのか。今日、初めて逢ったばかりの私に結婚の話なんて持ち出すのか」
シュンは少しうつむき、考え込むそぶりを見せた。潮の香りを含んだ海風がシュンの少し長めの前髪を揺らして通り過ぎていった。
「何て言ったら良いんだろう。ミュウと俺が初めてチャットで出逢ったのは一ヶ月前だよね。あの時、俺、マジで落ち込んでたんだ。誤解のないように言っておくけど、白状すると、出会い系サイトなんて初めてだったんだ。あのときは無性に人恋しくて出会い系でも何でも良いから、とにかく誰かと話したかった。それで、思い切ってコメントアップしたら、君から返事が来たんだよ」
何という偶然だろう。あの夜は美海もまた一度も覗いたことのない出会い系サイトに辿り着いたのだ。そして、たまたま眼に付いたシュンのメッセージがあまりに淋しそうだったので、何か言ってあげたくて返信を返したのだった。
「あの時、運命を感じたなんて言ったら、また、君にドン引きされてしまいそうだけど。でも、俺は本気で思った。初めて利用したチャットで大勢の人のコメントから俺を見つけ出してくれたのも何かの縁じゃないかなと思って。それで、メールのやりとりしようって俺の方から誘って、色々と話している中に、俺はどんどん君に惹かれていった」
シュンは小さな息を吐き、切なげなまなざしで美海を見た。