神さま、あと三日だけ時間をください。
第3章 ♭ミュウとシュン~MailsⅡ~♭
「俺、ミュウが欲しい」
予期せぬ話の展開に、美海は息を呑んだ。
「それは―」
最初は冗談の続きかと思ったけれど、シュンの表情は怖いほど真剣そのものだ。
美海はシュンの熱を帯びた視線に耐えられず、うつむいた。
「今、ここで抱かせてくれないか?」
美海は所在なげに視線をさまよわせた。
昨夜、夜通し琢郎に奪われ、身体は疲弊しきっている。まだ荒淫のせいで下腹部の痛みは続いているのだ。第一、琢郎に抱かれ、続けざまにシュンにまで身を任せるなんて、精神的にも保ちそうにない。
「ごめん―なさい。体調が思わしくないの」
消え入るような声で言った。
「女の子って、嫌な相手に求められると、大抵そう言うよね」
シュンのいつになく強ばった声。
美海は慌てて否定した。
「それは違うわ。シュンさんがイヤだとかいうのではないの。朝からずっと気分が悪かったし」
何をどう言えば、シュンに判って貰えるのだろう。混乱した気持ちが目尻に涙を押し上げる。
美海には沈黙が何時間にも感じられた。
やがて、シュンがホウと息を吐く。
「俺の方こそ、ごめん、大人げないよな。ミュウに断られたからって、辛く当たったりして」
「本当にごめんなさい」
堪えていた涙がポトリとテーブルに落ちた。シュンがまた溜息をつく。
「ミュウが悪いんじゃないよ。気分が悪いって言ってるのに、セックスしようなんて言い出した俺の考えが足りなかったんだ。駄目だよな、男って、好きな女を前にすると、こらえ性のない獣みたいになっちゃうから」
また沈黙。
今度の沈黙はすぐに破られた。
「ねえ、ミュウ。一つだけ訊いても良いかな」
美海が頷くのを確認してから、シュンは言った。
「あの紅い小さなアザ。ミュウの胸に散った花びらのような斑点は―」
美海はハッとしてシュンを見た。
だが、シュンはうつむき加減で話しているため、その表情までは見えない。いつもちゃんと視線を合わせて話をする彼には極めて珍しいことだ。よほど話しにくい内容なのだろう。
予期せぬ話の展開に、美海は息を呑んだ。
「それは―」
最初は冗談の続きかと思ったけれど、シュンの表情は怖いほど真剣そのものだ。
美海はシュンの熱を帯びた視線に耐えられず、うつむいた。
「今、ここで抱かせてくれないか?」
美海は所在なげに視線をさまよわせた。
昨夜、夜通し琢郎に奪われ、身体は疲弊しきっている。まだ荒淫のせいで下腹部の痛みは続いているのだ。第一、琢郎に抱かれ、続けざまにシュンにまで身を任せるなんて、精神的にも保ちそうにない。
「ごめん―なさい。体調が思わしくないの」
消え入るような声で言った。
「女の子って、嫌な相手に求められると、大抵そう言うよね」
シュンのいつになく強ばった声。
美海は慌てて否定した。
「それは違うわ。シュンさんがイヤだとかいうのではないの。朝からずっと気分が悪かったし」
何をどう言えば、シュンに判って貰えるのだろう。混乱した気持ちが目尻に涙を押し上げる。
美海には沈黙が何時間にも感じられた。
やがて、シュンがホウと息を吐く。
「俺の方こそ、ごめん、大人げないよな。ミュウに断られたからって、辛く当たったりして」
「本当にごめんなさい」
堪えていた涙がポトリとテーブルに落ちた。シュンがまた溜息をつく。
「ミュウが悪いんじゃないよ。気分が悪いって言ってるのに、セックスしようなんて言い出した俺の考えが足りなかったんだ。駄目だよな、男って、好きな女を前にすると、こらえ性のない獣みたいになっちゃうから」
また沈黙。
今度の沈黙はすぐに破られた。
「ねえ、ミュウ。一つだけ訊いても良いかな」
美海が頷くのを確認してから、シュンは言った。
「あの紅い小さなアザ。ミュウの胸に散った花びらのような斑点は―」
美海はハッとしてシュンを見た。
だが、シュンはうつむき加減で話しているため、その表情までは見えない。いつもちゃんと視線を合わせて話をする彼には極めて珍しいことだ。よほど話しにくい内容なのだろう。