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俺様王子と白うさぎ

第2章 恋心

「あれ、奏音くんじゃない?また告白されてるよ…」

お昼休み。萌愛ちゃんとお弁当を食べていると、ふいに声が聞こえた。

どうやら、廊下でかなちゃんが女の子に呼び出されているのを見たらしく、クラスの女子が騒いでいる。


「あらら…また犠牲者が出るね」

萌愛ちゃんが少し困ったような顔で言う。

「あはは…犠牲者って(笑)」

今にも泣きそうになっている女の子を教室から盗み見ながら、私は力なく笑うしかなかった。


かなちゃんの振り方は、私でも本気で同情するほどにひどい。

これまでいったい何人の女の子たちが涙をのんできただろう。

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