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俺様王子と白うさぎ

第3章 きっかけは…

奏音side


「…っクソ」

さっきまで姫菜を掴んでた手を、グッと握った。

「あの女…」


不意打ちだった。


放課後。
靴箱で姫菜を待ってるとき、
知らない女か声かけてきて。

告られた。


女は、香水の臭いをさせて、俺にすり寄ってきた。
そして、どこから出してんのかわからないくらい甘い声で、簡単に好きだと言う。

嫌いなタイプだ。
何を勘違いしてんのか知らねえけど。
顔や頭だけで人を判断して。

おまえは俺の何を知ってんだ。
話したこともないくせに。


俺にはずっと、想っている相手がいる。


計算高くて、強かで、浅はかなおまえとは違って。
純粋で、単純で、バカなあいつが好きだ。


「離せよ。うぜえ。おまえみたいな女、興味ないから」


いつも通り。

ここで女は諦めるはずだった。


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