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山茶花(さざんか)の咲く村~男装美少女の恋~

第2章 もみじあおいの庭

―あまりにも美しすぎるものには魔が潜んでいると昔から申しますよ、お嬢さま。
 凛花は忌まわしい考えを振り払うように、小さく首を振る。
 傍らに並んだ文龍にそっと肩を抱かれ、凛花は眼を瞑り、庭ですだく虫の声にひたすら心を傾けようとした。
 月は相変わらず無表情に、そんな凛花を見下ろしている。
   

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