山茶花(さざんか)の咲く村~男装美少女の恋~
第4章 暗闇に散る花
「小癪な」
文龍が刀を振り上げる。月光を受けた長剣が煌めく。
そこに、さっと走ってきた影があった。長年、組んで極秘調査に当たっていた相棒である。
二人は背中合わせになりながら、蘭輝を初めとする敵方を注意深く見つめた。
「油断するな。この男、ただの商人ではない。相当の手練れだ」
「―判っている」
相方が頷き、こちらも長刀を抜いた。
その時。
「文龍さまッ」
叫び声が一瞬、文龍の注意を逸らした。その瞬間、短剣が飛んできて、文龍の肩を掠めて通り過ぎた。
文龍が刀を振り上げる。月光を受けた長剣が煌めく。
そこに、さっと走ってきた影があった。長年、組んで極秘調査に当たっていた相棒である。
二人は背中合わせになりながら、蘭輝を初めとする敵方を注意深く見つめた。
「油断するな。この男、ただの商人ではない。相当の手練れだ」
「―判っている」
相方が頷き、こちらも長刀を抜いた。
その時。
「文龍さまッ」
叫び声が一瞬、文龍の注意を逸らした。その瞬間、短剣が飛んできて、文龍の肩を掠めて通り過ぎた。