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第2章 case1 【貴方ハ誰?】

「・・・ぁ・ぁ・・・」

・・・微かに、声が、聞こえる。

無人の筈の部屋から、声。

気味が悪いと思う前に、この図書室で人と会うなんて珍しいなあ・・・ぐらいのの感覚で何気なく、声のする方向に目を向けた。

そこで、思わず目を見開く。

「・・・・・・開、いて、る・・・?」

・・・気のせいでなければ、奥の引き戸タイプのドアが・・・微かに開いてる。

奥のドア。それは通称開かずの部屋に通じる唯一の扉。

鍵穴はあるけど、鍵がない。気まぐれに開き、気まぐれに閉じている部屋・・・で、

この学園の七不思議らしきものの噂がある。

『開かずの部屋に誰にも見つからず1人で入り、願い事を願うと、叶う・・・かもしれない』

・・・別に願うような願い事はないけど、純粋な興味か、何かに惹かれたのか、

ふらふらっと何も考えずに、ドアの前に行き、薄く開いたドアの隙間から、中を覗いた。

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