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第5章 case3 【貴方ニ効果的ナ"復シュウ"ヲ】 1

・・・暗い。

我に返った私は、外の暗さに気が付いた。今日は昼間も曇っていたから、月明かりが届かないのは解るのだけど。

そういえば・・・街灯の明かりが絞ってある?そんな馬鹿な。

電球の劣化だろうか。LEDに早くしないから。

なんて、学園の管理をしているはずの見知らぬ誰かに、文句を垂れてみる。目の前にはいないけど。

「ご苦労な事だ」

のんきな声が振ってきた。文字通り、上から。

気が付けば、あの桜の木の近く、顔は見えないけど、多分声からして、斎。

というか、夜更けに樹の上に佇むヒトは普通いない。

「いつきッ」

「何を必死になっている?的場も言った通り、絢乃は観客だよ」

「・・・嫌な予感がするのよ」

予感だがら、それ以上何がどうと言われても困る。ただ、そわそわする。

そわそわして落ち着かない。

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