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第5章 case3 【貴方ニ効果的ナ"復シュウ"ヲ】 1

落ち着かないから、右往左往してる。無意味な事だと解っていても。

「空気が澱んで、イイ感じ」

「・・・何が」

楽しそうな声にイライラは募る。そして、斎は決定的な一言を、発した。

「既に、契約履行中だが?」

「は?えっ・・・」

ケイヤク、リコウチュウ?

意味の解る日本語を聞いている筈なのに、何故か理解出来ない。

・・・違う、理解したくない、のだ。

「この数日、的場の姿を見てはいないだろう?その代わり、どっぷり俺が絢乃に付き添っていたけどな」

そういえば、的場君、最後に、見たの、いつ、だっ・・・た?

「モノに出来たかどうか、は確認してないけどな」

・・・ナニ、を?

それを聞くのは、躊躇った。聞いても聞かなくても、結果は同じ・・・かも知れないけど。

得体の知れない何かが恐ろしくて。

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