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第6章 case3 【貴方ニ効果的ナ"復シュウ"ヲ】 2

「お前は、的場をどう思ってる」

「貴方に言う必要はないわ」

「返答次第では、お前の為になる、が?」

「・・・私の、為?」

ガバッと起き上がる永依さん。シーツがばさりと音を立てて落ちる。

「私の為、ですって!?」

繰り返す言葉。さっきとは違う感情のこもった、叫び声。

「私の為私の為私の為ッ」

立って斎に詰め寄る永依さん。何も羽織ってない羞恥心より、勝る様だ・・・沸々と湧き上がる何かに対する怒り、が。

「親も、親戚も、松浦家も、あの男もッ」

と指差した先は、松浦健市。

「全員が全員言うのよっ『私の為』だってッ。でも誰一人としても真実は教えてくれないの! 嵩明(たかあき)すら!!」

と次に指さしたのは、的場君。

「ただ一言『もう付き合えない』ってそんなの、納得できるはずないじゃない!!」

「真実、教えてやってもいい」

「貴方が?他人の、貴方が!?」

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