無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「その代わり、今後のお前の人生を貰う」

「私の人生は決まってるわよッ。そこの松浦って男と結婚させられて、一生縛りつけられる!!」

彼女の叫びは、今までのうっ憤を晴らすかのよう。理不尽な現実、もがきたい現実との葛藤の末の。

「松浦より俺にしろ。的場は既に俺の物だし」

「・・・？」

「的場が7月辺りからいなくなり、必死に探してただろう。学校内には的場の形跡はなくなり、

学校外では、死んだものとして、葬式が執り行われた。それくらいは知っているはずだな？」

そして私も現実を知る。的場君が捨てた普通の日常と、未来。

・・・彼は、的場君は何もかもを捨てる覚悟、してた、んだ。契約と、引き換えに。

私は、現実を捨てる覚悟、未だ・・・無い、けれど。

斎が有無を言わさず隣に置く以上、私はいずれ日常を捨てる日が来る・・・の？

「知ってる、わよ。だから、嵩明が生きてたって解って、そして、嵩明が私を未だ好きだと言ってくれて、愛してると言ってくれて、嬉し・・・っ」

色々思案している間にも続く、永依さんの・・・零れ続ける本音と、透明な雫。

「的場は既に俺の召使であり、俺と一蓮托生。お前も俺の召使になれ。俺と、契約しろ」

「・・・意味が解らない」