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第6章 case3 【貴方ニ効果的ナ"復シュウ"ヲ】 2

混乱は、無理も無いと思う。けど、斎は細かい説明をする気は無いみたい。

「意味など、どうでもいい。ただ、お前も、的場と同じように死ねばいい。その代わり、お前は的場と永遠を手に入れる」

ピタリ、と涙が止まる。漸くまともに、斎を見る。その眼は・・・縋る、眼。

「嵩明と?」

「そう。二者択一だ。俺と契約するか、親の決めた道に戻るか」

本当に、選択肢はそれだけ?斎に頼らず、どうにかなる方法は・・・本当に無い?

崇拝する的場君は、疑問を一つも持たないの?

斎と契約するのは、斎にもメリットがあるから・・・じゃないの?

「・・・まだ、決めッンンンッ」

永依さんに『早まらないで』と言う心算だったのに、途中で口を手で塞がれて、それ以上話せなくなる。

塞いだのは、いつの間にか隣にいる・・・、

「観客が口を出しちゃダメでしょ、姫様」

耳元で囁く声は優しくない。文字通り釘を刺す、的場君の声。

目線を的場君に向けると、微かに笑ってる。でも目は笑ってないから、少し怖い。

「全部済んだら、罵倒でも何でも甘んじて聞くから」

何も、言うな、と目が言ってる。更に釘を刺す。私に。

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