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第6章 case3 【貴方ニ効果的ナ"復シュウ"ヲ】 2

どこが問題ないのよッ。

居ても立ってもいられなくなって、口を覆っていた的場君の手を振り払って。

「問題ありまくりでッッ」

って叫んだものの、再度口を塞がれる。

「・・・姫様」

今度はため息交じり。でも、言わずにはいられない。

・・・いられなかったのに。

「的場、絢乃の口は塞がなくてもいい。どちらにしろ、お前も同じ事を言って、契約したのだから、コイツの末路は既に決まってる」

と、言うものだから。

・・・この場に私がいて、止めてと言うのが間違ってる?と錯覚してしまうほど。

まるで、違う世界にいるよう・・・な気持ちになる。

そして、逃げ出したくなる。この場から。

的場君の手が口から離れたと同時に、私の足が、一歩、無意識に下がった時だった。

「逃がさないよ」

その一言を発したのは、魔王だったのか、魔王の下僕だったのか・・・。

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